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チリ地震 (1960年) : ウィキペディア日本語版
チリ地震 (1960年)[ちりじしん]

1960年チリ地震(チリじしん、西:Gran terremoto de Valdivia)は、同年5月、チリ中部のビオビオ州からアイセン州北部にかけての近海、長さ約1,000km・幅200kmの領域を震源域として発生した超巨大地震である。地震後、日本を含めた環太平洋全域に津波が襲来し、大きな被害が発生した。バルディビア地震 (1960年)とも呼ばれている。
== 概要 ==
地震の発生時刻は現地時間の5月22日15時11分14秒、震源はチリ中部の都市バルディビア近海で、規模は表面波マグニチュード(Ms)で8.3 - 8.5、モーメントマグニチュード(Mw)では金森博雄の推定によると9.5である。Mw9.5という値は、近代地震学の計器観測史上で世界最大であり、歴史地震を含めても最大級である。長さ1,000km、滑り量10mを越える断層が活動したと考えられ地震モーメントM0は 2.0×1023N・m (2.0×1030dyn・cm) に達すると推定される〔 Kanamori, H., 1977, The energy release of great earthquakes, ''J. Geophys. Res.'' 82, 2981-2987.〕。
日本の東北地方海岸に到達した験潮所波形の数値解析によれば、長さ850km、幅180km、滑り17m、傾斜角20°の低角逆断層モデルが東北沿岸の津波を最も再現できるとされる〔 大森政則(2001): 東北日本を対象とした1960年チリ地震津波の数値解析, 土木学会第57回年次学術講演会〕。
最大震度は、日本の気象庁震度階級で震度6相当とされている〔チリ地震津波 - OCN 〕。
まず前震がM7.5で始まりM7クラスの地震が5~6回続いた後、本震がMs8クラスで発生した。また余震もM7クラスであったために首都のサンティアゴ始め、全土が壊滅状態になった。地震による直接的な犠牲者は1,743名。負傷者は667名。
前日には単独でも巨大地震といえる前震も発生したが〔大木聖子, 纐纈一起『超巨大地震に迫る- 日本列島で何が起きているのか』NHK出版新書、2011年〕、M7を超える余震は3つのみにとどまっている〔東京大学地震研究所 2011年 東北地方太平洋沖地震 過去に起きた大きな地震の余震と誘発地震 東京大学地震研究所 広報アウトリーチ室〕〔 The Centennial Catalog〕。
前震
* 1960年5月21日 10:02(UTC), 南緯37.83°, 西経73.38°, Mw8.2
* 1960年5月22日 18:56(UTC), 南緯38.15°, 西経72.98°, Mw7.9
本震
* 1960年5月22日 19:11(UTC), 南緯38.29°, 西経73.05°, Mw9.5
余震
* 1960年6月6日 5:55(UTC), 南緯45.70°, 西経73.50°, Mw7.2
* 1960年6月20日 2:01(UTC), 南緯38.26°, 西経73.32°, Mw7.0
* 1960年6月20日 12:59(UTC), 南緯39.21°, 西経73.32°, Mw7.1

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「チリ地震 (1960年)」の詳細全文を読む



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